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August 28, 2005

東京14区(荒川区、墨田区)衆議院選挙公開討論会を聞く。

2005年8月25日(木)ムーブ町屋3階・午後7時ー9時:主催 東京青年会議所
聴衆35人(台風11号の影響で少ない)
・発言全メモ
立候補者(五十音順)
・伊藤文雄(日本共産党)新  昭和18年生 61歳   横手第一中学校卒
・井上かずお (民主党) 前  昭和27年生 53歳  東京大学教育学部修士卒
・松島みどり (自民党) 前  昭和31年生 49歳   東京大学経済学部卒

主催者(Wさん)
 選挙での低投票率が続いている。これを打開したいということで公開討論会を持った。
 公平中立にすすめていきたい。

司会(Mさん)
 郵政民営化問題から討論を始める。会場の拍手の感じからすると民営化賛成の方が多いいようにも思える。
 伊藤さんからどうぞ。

伊藤(共産)
 郵政民営化には2つの点から反対だ。①民営化されたら、国民へ民営化のサービスが低下する。大手銀行で もこの間 全国で4千の支店が撤収されている。民営化されたら採算の合わない郵便局は閉鎖されることにな る。現在全国に2万4千ある郵便局のネットワークが維持できなくなる。②340兆円ある郵政資金を、アメリカと
 日本の金融機関に使わせようとする意図もある。国民にとっての利益は何もないと思う。

井上(民主)
 郵政で問題なのは、郵貯、簡保が肥大化していることだ。この資金が特殊法人に流れ込んで問題を起こしてい る。改革は必要だ。だが、小泉さんの改革には反対だ。内容に問題がある。210兆円の郵貯があるが、これは
 大手7銀行以上の資金だ。これを民営化したら、現在の民間銀行を圧迫するのは目にみえている。肥大化した ものを先ず小さくしなければならない。現在貯金限度額1千万円だがこれを5百万円に下げる。小さくしてから
 どうするかを考えるべきだ。

松島(自民)
 民営化は賛成だ。メリットがある。民営化しても郵便局は残る。26万人の公務員が一般サラリーマンになる。
 財政に貢献する。丸の内にある中央郵便局や他の建物でも固定資産税を納めるようになる。法人税も納めるよ
 うになる。また、郵貯、簡保の資金は無駄の公共事業へ流れているが、民間経営ならこういうことは無くなる。

伊藤(共産)
 現在郵便局は3事業によって成り立っていて、職員への給与も全て自前で賄っている。国民の税金は一円も使 っていない。むしろ、年間1400億円の黒字の中から、700億円のお金を国に納めている。法人税以上の比率 で収めている。公務員は減らせば良いという意見もあるが、公務員だからこそやれる仕事というのもある。
 新潟地震の時、大手運送会社は配送を中止したが、郵便局はネットワークを生かして配達を続け被災者の   方々に感謝されている。

井上(民主)
 郵便局は地域にとって大切な役割を担っている。郵便や決済を住民の身近な所でコンパクトに行えるようになっ ている。高齢者にとってはより重要なものになっている。小泉さんのやり方だと、儲からなければ郵便局はやめ るという事だ。小泉さんは「無くなる」と言っている。

松島(自民)
 民営化というのは、4つの会社を作るということだ。郵政事業、郵便窓口、貯金、保険の会社ができる。
 この会社は、コンビニエンスのように何でも扱えるようになる。公務員でないと仕事が出来ない、公務員だから 誇りを持って仕事をしている、その公務員に民間人になれとい うのは酷だという人もいる。私はこれは許せな い。電気事業は、民間で行っていてサービスも良い。問題があればすぐ解決してくれる。NTTも民営化したから
 競争で料金が下がった。JRも同じだ。郵便局は「都市ではなくなるかもしれない」と小泉さんは言った。これは
 競争で負ければ「なくなる」と言ったのだ。都市には銀行もあるのだし。

井上(民主)
 公務員を減らした方が良いと言うが郵便局の場合は税金が入っている訳では無い。銀行があると言うが銀行  の支店は多くない。無くなってもいる。サービスには手数料が必要になる。民間は儲かるか儲からないかで判  断する。「金融の排除」と云って貧乏の人は金融口座を持てなくなるという事も起こる。私はアメリカで生活した
 経験があるが、貯金額が少ないと手数料を取られていた。アメリカ型の社会になるのは反対だ。

伊藤(共産)
 今の郵便局体制では黒字になっている。独立採算で運営している。国会でも今の体制なら10年後も黒字だが
 民営化したら赤字になると政府側は答弁している。黒字で運営しているものを、赤字になる民営化に何故切り 替えようとするのか、小泉さんは説明していない。

松島(自民)
 誰がそのような答弁をしたのか。公社の生田総裁は「今のままだと、やがてやっていけなくなる」と言っている。
 実際、今の生活で手紙を書くことは少なくなっている。メールで済ませるようになっている。就職や入試でもイン ターネットを使うようになっている。昔のように資料は郵送されなくなっている。民営化しなかったらジリ貧になる のは目に見えている。

井上(民主)
 「ジリ貧」という説明には注意しなければならない。1941年、当時の政府は「今のままなら日本はジリ貧にな  る」と宣伝して、国民を太平洋戦争に引っ張っていった。外国でも郵便局を民営化した例はある。ドイツでは、
 その結果、3万箇所にあった郵便局を1万3千にまで減らしてしまった。日本には2万4千の郵便局があるが
 一つ一つで観たら2万以上は赤字だ。保険、他全体として黒字になって維持されている。民営化したら減らされ るのははっきりしている。国民の権利としての郵便局という観点からも維持されなければならない。

松島(自民)
 資金が郵政に多く集っているという事が政治的な族を生み出している。道路事業がそうだ。また、その金で
 国債を買っている。540兆円になっている。国民一人当たり420万円になる。安易に借りられるから国の借金 は減らない。民営化する事によって、これを入り口の所でストップさせることができる。

井上(民主)
 法案に問題があると言って、自民党の中にも反対する人がいた。参議院で否決されたのだから内容を再検討し て再提出するべきではなかったか。1千億円ものお金を使って選挙をやる必要はないではないか。憲政の常道 から外れている。このようなでたらめな政治は政権交代によって変えなければならない。
 郵貯があるから無駄遣いが起こると言うが、歳出をチェックして削減するほうが大事ではないか。自民党の場合  は、増税案が入っている。

伊藤(共産)
 法案は参議院で大差で否決された。民営化は中止するのが筋と思う。何故、国会を解散するのか分からない。
 現在、郵便局ならあるが銀行は無いという自治体が全国に550ある。郵便局は役所など公共施設の1km以  内に必ず設置されている。こういう中で、自民党の内部でも地元住民の声に押されて法案の反対に回る人が
 多く出たということだろう。公務員についてだが、必要な部門は増やさなければならない。例えば、消防、学校  の先生、福祉関係の職員などだ。無駄のところは削らなければならない。

松島(自民)
 増税のことを言われたが、自民党はサラリーマン増税に反対している。税調は、石さんとか、役人、一部の学  者がやっている事だ。民営化法案は参議院で否決されたと言うが国民はどうなのか。国会の意識と国民の意 識にギャップがあるのではないかと思う。国民投票制度は無いのだから、国会を解散して国民全体の意識を知 ろうということだ。

司会
 次の議題に移りたいと思います。NHKの世論調査ですと、国民が1番関心を持っているのは、社会保障、年金 で44%でした。この点を討論してもらいたいと思います。

井上(民主)
 年金問題が一番の争点だと思う。2005年には、3,5人で一人の高齢者をささえていたが、2029年には
 1、9人で一人を支えなければならなくなる。現在の付加方式では破綻するのは目に見えている。2200万人
 の年金加入者がいるが、保険料を払っていない人が320万人いる。減額他が800万人いる。国民皆年金制  度は、目標と現実がかけ離れている。

松島(自民)
 年金制度を維持していくには①給付額を減らす②保険料を上げる③税金を投入する、の三つを組み合わせて
 やっていくより他は無い。ベースになっているのは国民年金だが、13,580円 を40年間払って、月66,000 円給付を受けられる。これには三分の一税金が入っている。これを二分の一にまで税金を入れることは決まっ  ている。40年間の内、最低25年間保険料を払わなければ給付を受けられないことになっているが、私はこれ を10年とか15年とかに短縮する必要があると思っている。

伊藤(共産)
 私も(今年)年金受給者になった。43年間収めて、月00円位受け取ることになった。
 国民年金の受給者は約900万人で平均月4万6千円の支給額だ。
 納付のほうでは、月々の支払いが出来ない人、滞る人が1千万人を越えている。
 共産党は、年金の最低額を5万円にして、これに個々人納付した分を上積みするというやり方を提案している。
 財源は無駄な公共事業を削ること、これまで減税してきた法人税をアップすること、金持ち優遇の税制を見直す
 事で生み出していく。もう一つ、保険料を納め、支える側のことだが、リストラで正社員が減らされ納付者が減っ ている。この面からも大企業は責任を果たすべきだと思う。

松島(自民)
 パート、アルバイトが増えて保険料を払う人が減っているというのは、伊藤さんの言うとおりだと思う。
 零細企業の場合、従業員の厚生年金部分を負担できないということもある。大企業は余力がある。年金の持ち 出しを減らすため、正社員ではなくパートを雇うという事もあるようだ。これは変える必要がある。
 保険料を納めない人、減額している人、800万人のうち調べてみたら120万人は支払能力があるのに支払っ ていないということも分かった。この点も解決しなければならない。

井上(民主)
 払えるのに支払っていない人が120万人いると言われたが、払いたくなるような制度になっていないところが  問題だと思う。1999年に年金改革が行われた。将来は、国民年金、厚生年金、共済年金を一元化していく
 必要がある。そのためには、消費税を3%アップして、年金受給者全てに最低7万円を保証する制度にする。
 高額所得者へは税金部分はカットして支給するようにする。

松島(自民)
 年金は、40年間納めて月々の支給は66,000円だが生活保護を受けると月々130,000円支給される。
 以前は、高齢者だとこれに特例部分が付いていた。これはカットすることになった。

司会
 消費税3%アップで年金を月々7万円と言われたが、年金保険料を永年納め続けた人はどうなるのですか。

井上(民主)
 収めた額に応じて最低額7万円に上積みするということになる。スゥエーデンの方式が一つのモデルになってい る。

松島(自民)
 自民党の案は、先ず厚生年金と共済年金を一元化するというものだ。国民年金まですぐ一元化というのは難し
 い。

司会
 厚生年金と共済年金を一元化して、国民年金はそれから考えるということですね。

伊藤(共産)
 消費税のことを言われたが、「高齢化社会を向かえ高齢者のために必要だ」と云って17年前に消費税が導入 された。17年間で消費税は148兆円投入された。ところが同じ17年間で法人税は145兆円減額された。
 高齢者のために使われていない。これから観ても、年金のため消費税を上げるというのは間違いだ。
 公共事業ほか、無駄な出費を抑えなければならない。

井上(民主)
 国民年金保険料は60%しか集められていない。不足分を厚生年金で補填するようになっている。
 消費税をアップするしか(解決の)方法は無い。

松島(自民)
 40年間収めるうち最低25年をクリアしなければならないと言う点だが、若い時は収められなかったが今なら収 められるという人もいる。まとめて収めたいという人もいる。今の制度では、2年間しか遡って収められないこと  になっている。この点は、もっと遡れるように変えても良いと思っている。

司会
 次のテーマに移りたいと思います。選挙で投票率が下がる傾向があります。この点、どう考え、どのように対処 しますか。

松島(自民)
 投票率の長期低落傾向がある。関心は高いがいざとなると投票に行かないという人が多い様だ。投票時間を
 6時までだったのを8時閉めにするとか、期日前投票をよりやり易くするとか工夫もしている。
 選挙制度にも問題があると思う。小選挙区で比例と重複とか、参議院も同じ比例とか複雑になっている。

伊藤(共産)
 若い人の投票率は20%という調査もあるようだ。政治への信頼が低いこと、一票では何も変わらないという意 識があるのかもしれない。制度の問題では、小選挙区制にある。40%の得票でも死票になる。少数政党、無  所属の候補は当選が難しくなっている。供託金の問題もある。立候補するのに、小選挙区で一人300万円、
 比例で同600万円必要だ。立候補するのも難しくなっている。民意の反映という点では、比例代表制が一番良 い。以前の中選挙区制も幅広い民意の反映という事からは良かったと思う。民主党のマニュフェストでは、比例 部分を180から100に削減するとなっている。これは、少数政党、、無所属候補を議会から締め出そうとするも のではないか。(財政)支出を抑えるということを口実にしているが、反対だ。

井上(民主)
 比例が多いと、政権交代が起こらない。イギリスのように二大政党制になれば政権交代も起き、政治はもっと  おもしろくなる。比例があると、20議席前後の政党が役割を果たし、不安定になる。

司会
 二大政党制の議論になっていますね。

伊藤(共産)
 自民党、民主党とも、消費税アップ、増税、憲法改定、安保条約等では、違いは無い。分かりにくくなっている。 アメリカ、イギリスとも二大政党制だが、イラク戦争では両党同じ方向になった。
 政党助成金も問題だ。毎年300億円の金が使われている。民主党は、85%が政党助成金で賄っている。
 そのうちの多くが選挙資金に使われている。節約を言うなら削減しても良いのではないか。

松島(自民)
 私は、二大政党制は望んでいない。衆議院は名前を書くだけの制度にするべきだと思う。中選挙区制に戻して も良いのではないか。以前は、この選挙区は定数4人だった。不破哲三さんとか、地元の天野さんとかが出て いた。候補者の顔の見える制度にするべきだ。

井上(民主)
 政党助成金が無ければ、私も立候補できなかった。政治活動はできなかった。一人当たり200-300円の
 負担だ。民主主義のコストとして負担してもらっている。そのことによって、どういう政治家が出てくるかが大切  だと思う。

松島(自民)
 自民党は、民主党と同じ点もあるが、「日の丸、君が代」の問題では国会で採決の時民主党は賛成、反対で
 党内で別れた。教員制度のあり方でも、同じだ。自民党は、そ言うことはない。

井上(民主)
 自民党との違いは、業界団体、官僚との癒着があるか無いかだ。一部の団体、人々の利益を代表する政党が
 自民党だ。民主党は、いろいろな人が集まっていてばらばらな点もあるが、自民党とは進め方の手法、プロセ  スが違う。

松島(自民)
 多くの国民の気持ちを代表しているから自民党は永年政権を担っている。一部の勢力の代表というのは違う。

伊藤(共産)
 自民と民主は、個々の法案では賛成、反対色々あるが、基本方向では同じだ。その二大政党で政権交代をし ても政治は変わらないと思う。それと、政党の財政は党費と寄付で賄うものだ。日本共産党はそうしている。
 政党助成金で党運営をしたら国営政党になる。

井上(民主)
 自民党は、政官業癒着の中で日本の政治を行ってきた。二世、三世議員が多くなり、特定の人が運営するよう になっている。「政治家に必要なのは情熱である」とマックスウェーバーは言っているが、民主党はそういう人が
 集まっている。政党助成金は党としても必要だ。それによって、私も政治家の道が開かれた。

司会
 時間が来ました。各候補一人一人前で発言をお願いします。それで終了にします。伊藤さんからどうぞ。

伊藤(共産)
 私は、集団就職で秋田から上京し荒川の自転車部品工場で働く中で労働運動に参加し、19歳から政治革   新の運動、住民運動を一貫して続けてきた。国会へ出られたら、政府の進めようとしている増税、消費税アッ  プ、福祉切捨ての政策、憲法改定の動向に反対し、住民の生活を守るためにがんばる。

 *(感想) 中卒の伊藤さんは、現(前)職で、東大出の2人の候補を相手に、互角に渡り合っていました。不破 哲三の側で勉強したからなのでしょう。静かな面(おもて)に秘めた闘志を感じました。ふと、映画「無法松の一 生」の祭りのシーンを思い出していました。純真と日常生活の反映としての芸(太鼓)が調和していて感動しま した。

井上(民主)
 私は、2世、3世の議員ではない。しがらみがなく活動ができる。この間、飲酒運転の罰則を強化し、危険運転
 致死死傷罪の成立に貢献した。ヤミ金融対策法も立法化した。国際活動も行ってきた。行動する政治家として
 今後もやっていく。

 *(感想) 正直で若若しい方だと思いました。「消費税3%アップ」とはっきり言いました。郵政では、「国民の  権利としての郵便局」「金融の排除」とか「アメリカ型の社会には反対」と云い、郵政では聴衆の共感を呼んで  いるように思いました。政党助成金、小選挙区制(選挙制度)についての発言の時は、複雑な感じ。

松島(自民)
 これからやりたいこと事の一つは、東京の治安をよくすることだ。犯罪のリピーター対策などを検討したい。
 外国人犯罪の対策も考えなければならない。入国審査を厳しくしてテロリストや犯罪者の入国を阻止したい。

 *(感想)真紅のドレスが映えていました。サッチャーさん的なところだけでなく、意外に下町人情的なところと  があるんですね。選挙制度についての発言は意外。でも、新鮮でした。


皆さん! 9.11(日)  投票に行こう!


 


   


 

    

 

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Comments

仕事中たまに見てますけど最近さぼってないですか?更新楽しみにしてます。

Posted by: 長男 | October 01, 2005 at 05:40 PM

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