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October 29, 2009

「八ッ場ダム問題」 ・ 第9回中央委員会総会(日本共産党)

2009年10月18日(日)
「一から考える八ッ場ダム問題」
しんぶん赤旗・日刊紙・10月10日(土)  6-7面
を読む。

「八ッ場ダムー何が問題なのか」
しんぶん赤旗・日曜版・10月18日(日) 10-11面
を読む。
ーーーーーーーーー
(見出し)
*そもそも何?
・八ッ場ダム予定地は群馬県長野原町の吾妻川の中流、国の名勝「吾妻峡」のなかにあります。
・八ッ場ダムは利水と治水を主な目的としています。
同工事事務所のホームページでも「洪水から暮らしを守り、首都圏の水需要を支えます」と宣伝しています。
・このダム事業で、関係する1都5県(東京、千葉、茨城、群馬、栃木)は約1460億円の負担金を支払います。
・ダム計画のきっかけは、カスリーン台風(1947年)です。
・建設省(当時)は52年に現地調査に着手しましたが、地元住民は計画に猛反対。
地元住民は福田赳夫元首相ら地元選出の自民党国会議員を陳情の窓口にして、ダム反対に意思をたびたび表明しました。
・自民党政権と自民党県政は、反対意見の陳情を受ける一方で、計画を推進。反対派の切り崩しを展開しました。
・前原国交相の発言がクローズアップされがちですが、自民党のこうした対応にも住民の不信の元凶があります。

*利水治水に疑問
利水ーすでに水あまり
・八ッ場ダムから受水予定の1都4県では、すでに水余り状態です。
・東京都ー現在でも1日当たり630万トンの水源を持っています。
、、、地下水をあわせると700万トンを超える水源を保有していることになります。
・一方で、水の利用は減少傾向です。
2005年以降は、500万トン前後で推移しており、約200万トンの余裕があり常にあまる状態なのです。
○なぜ水があまってきたか。
「家電製品やトイレなど、節水機器が普及してきた」
「乾燥機の普及などで、梅雨の晴れ間にいっせいに洗濯し、水の使用量が増えるという季節変動が少なくなった。」
「水道管の漏水が減ってきた」

*人口は減少
・同様に他の4県の保有水源と、最近の1日最大水使用量をくらべてみると、
一人当たりの水使用量を400リットルとした場合、
一日800万人分の水が余った状態です。
・(2015年には)千葉、埼玉、茨城、群馬では、人口減少がはじまる見込みです。
東京でも20年をピークに人口減少へ向かいます。

・もう一つの目的、治水はどでしょうか。
治水ーダムは役立たず
ダム計画の原点は、カスリーン台風規模の「200年に一度の大雨」に備えるものでした。
しかし、国交省が主張する八ッ場だむの治水効果は、実際の洪水をもとに検証したものではありません。
・2007年9月、群馬県西部を直撃した台風ですが、カスリーン台風並みの雨を降らせましたが、吾妻川流域での水量は、国交省の予測を大幅に下回りました。
・国交省河川局長も、日本共産党の塩川哲也衆院議員の質問に対して
「カスリーン台風の形のものについては、(八ッ場ダムは)大きい効果は見込めない」(衆院予算委員会。2005年2月)と答弁しています。
○大熊孝新潟大学名誉教授
「治水はダムに頼るのではなく、堤防強化など河川改修が大切だ。水害で怖いのは、堤防が破壊されて一気に水が流れ出ることだ。堤防の強度を高めれば、利根川の洪水に対応できる。そもそもダムはいずれ土に埋まって使用できなくなる」。

*過大な宣伝
また本紙が情報公開で入手した「利根川浸水想定区域図」でも国交省の過大な宣伝が明らかになりました。
・国交省の宣伝ー利根川上流に200年に一度規模の大雨が降ると「毎秒2万2000トンの水が、中流の八斗嶋地点(伊勢崎市)の河道を通る。
・実際は、八ッ場ダムが無い現状で、(毎秒)1万6750トンにとどまると同省自身が試算していた。
この水量では、水位は上がるものの堤防の下2メートルを流れていく程度です。

●中止はムダか
費用ー中止の方が安い
・「継続するより中止の方がたかくつく」
「事業費の7割も使ったのだから、完成させた方がいい」
「ダムを中止した方が高くつく」
という議論がでています。

*しかし、「7割」というのは使った金額のことで、ダム本体工事は未着工なうえ、事業費の大幅な増額も予想されています。
事業費4600億円のうち、3210億円が今年3月までに支出されています。
残り1390億円で、ダム完成にこぎつけるのが困難なことは同省自身も認めています。

ゼネコンのダム担当者、
「ダムは通常、本体工事に事業費の4-5割がかかる。国は事業費を安く見せようとして、後から事業費を追加する。ダムをつくればまだまだ金がかかる」

・八ッ場ダムの場合、事業費の7割をつかっているといっても、付け替え国道の完成割合は6%。
付け替え県道は2%程度しか完成していません。

・「八ッ場ダムあしたの会」の試算、
「水源地域対策特別措置法」「利根川・荒川水源地対策基金」に2事業と利息を含めると事業総額は9千億円近くになります。
さらに、地すべり対策や東京電力の減電保障などをあわせると、もっとふくらむことが予想される。

・ゼネコンのダム担当者、
「ダムはもうかる。
コンクリートで造るダムなら、粗利が20-25%。
ここから政治家に献金がいく。
官僚はゼネコンに天下る。
根本には政官財の癒着がある。
だから簡単にはやめられないのさ」

○現地ー願いは生活再建
ダムが完成すれば湖に沈む名湯川原温泉。
ダムで移転対象となるのは470世帯。
住民の78%が移転し、残っているのは104世帯です。
 
現地、70歳代の女性、
「みな、泣く泣く出て行った。近所の人がいなくなり、店も無い。
前原国交大臣がいきなりテレビで『中止』というのを聞いて、3日間不安で寝られなかった」
同女性は、
国から「移転用に50坪の土地をあげる」といわれ反対から条件付賛成に転じました。
保障交渉が進むと、”移転地は自分で買え”といわれました。
・・・代替地への移転希望者は134世帯のうち、現在引っ越したのは23世帯にすぎません。
同女性、
「本音をいうならダムはやめるなら、やめていいが、きちっと補償して欲しい。早く生活を立て直したい。
一年ごとに年をとって、このままではどうしようもなくなる。」
ーーーーーー
(!赤旗の丸写しだけど。ここら辺が本当のところだと、ボクは思う。)

しかし、前原国交大臣の人気は衰えていない。感情論もふくめてだが。
一都5県の知事に追及される国交大臣の姿が繰り返しテレビに映されたが、視聴者は皆大臣の方を応援しているもの。
石原さんと前原さんでは、意地悪じいさん対青年政治家のイメージ。「石原さん、まだ都知事やってたの?」。(とKさんの奥さんが言っていました。)
森田さんと前原さんでは、タレント対青年政治家のイメージ。森田さんは、「すぐテレビ目線になる」「作った顔」、とかなんとか言われている。
・・・自公政権時代には無かったことだ。・・・)

ーーーーーーーーーー
第9回中央委員会総会
志位委員長の幹部会報告
赤旗・15日・別刷り
を読む。

同・志位委員長の結語
赤旗・16日・5面
を読む。

●よりすすんだ視点で、「事に通じる」努力をおこなう。
「報告では、八ッ場ダム問題についてのべました。ダム中止という方向そのものは、もちろんよい方向なのですが、現実にはいろいろな矛盾や軋轢が起こる。
いったいどこが問題なのか。そこを掘り下げて明らかにしてみますと、民主党政権の一部に(マニュフェスト絶対主義)ともいうべき態度がある。民主的プロセスの問題点がある。
このことを率直に提起しました。
そしてどうすれば、道理ある解決ができるかも、あわせて提起をいたしました。」

(!同感。納得!全文よむこと。傑作だ!)

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